経営相談事例集

レセプト件数と、1件当たりの点数

レセプト件数は、再診数+初診数-完了数で決まります。
この3つの数字を的確に管理していくことが大切です。

仮に、1日の平均患者数を30人とすると、
ひと月のレセプト数は、大体200~250になります。

一人の患者さんが、ひと月に来院される数(月回数)は、
平均すると、2.4回くらいになるでしょうか。

もう少し細かく見ていくと、
初診の患者さんは、月回数が多くなる傾向があり、
再初診の患者さんは、少なくなります。

したがって、新規の初診数と、再初診数が、
どのくらいの割合になっているかで、
月回数も変動していくことになります。

それらを平均して、大体2.4回くらいになると思います。

何年かクリニックを経営していると、
それぞれのクリニックごとに、
このバランスは決まってくると思いますが、

全くの新規の初診数の増減が、
クリニック全体のレセプト件数増減の
鍵を握ってくることになります。

だんだんと、継続して治療にくる患者さんと、
治療を完了していく患者さんは、
割合が安定してきますから、
初診数を伸ばしていかないといけません。

特に、開業当初は新規患者獲得に広告費をつぎ込んで、
ガムシャラに集患に努めなければいけません。

しかし、開業2年以降ともなると、
新規の患者数は、自分のクリニック周辺において、
かなり開拓し終わるといいますか、

他のクリニックができたり、
外部要因なども重なり、そうそう伸びていかなくなります。

したがって、まだまだ売上が伸ばし切っていけていない場合は、
新規獲得をしっかり戦略的に行っていくことが大事ですし、

ある程度、集患はやりきったといえる場合は、
再初診数を確保していくために、手を打っていくことになります。

一度でも来院いただいて信頼関係が築けている
患者さんを取りこぼさず、維持していくことが大事になりますね。

そうして集患ができあがってくると、
レセプト1件当たりの点数を、
しっかり管理していくことになります。

このレセプト1件点数は、
月回数×1回診療点数となりますから、

この月回数と1回診療点数を、
効率的に運用することが大事になります。

月回数が少ない場合ですが、
2パターンあるかと思います。

① 歯科医師数に対して、患者数が多い場合

この場合は、(1)診療時間(営業時間)を長くするか、
(2)歯科医師、スタッフを増員して、診療人数を増やす、
この2つで解決していくことになります。

特に、月回数が2回を下回ったり、
おたくのクリニックは予約が取りづらいなど、

クレームに近いものが目立ってきたら、
早急に対応しなければなりません。

② 1人当たりの診療時間が長い場合

1人あたりの診療時間が長くなっているということは、
診療できる患者数が少ないことになりますから、

バランスが取れていないなと感じるときは、
保険診療から自由診療に切り替えられないか、
検討していく必要があるでしょう。

次に、1回診療点数が低い場合の対応ですが、
様々な理由があると思われますが、

診療内容が特殊でないのに低いのなら、
診療報酬の請求の仕方に問題があるかもしれません。

また、1回当たりの診療時間が短くて、
治療部位が少なかったりするかもしれません。

その辺りの小さなことですが、
見直すと良いかもしれません。

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