経営相談事例集

ユニット台数とスタッフの採用

ユニットを何台で開業するのか?
これから開業される方は、悩むところかもしれません。

あくまで目安ですが、ユニット1台で、
1日10~12人の患者さんを診療する感じでしょうか。

開業当初は、費用も抑えたいし、
どれくらい集患ができるか、わからないので、
2台か3台くらいから始められる方が多いですね。

デジタルレントゲンなど、
開業当初はとにかくお金が出ていきます。

仮に、2台で始めて、順調に集患が進んだとき、
いつユニットを3台に増設するかが、
とても重要になってきます。

新規開業の場合だと、1日の平均患者数が、
15人以上になった場合、もう増設を考えないといけません。

集患も順調にいっていれば、実際に3台に増設する頃には、
1日平均で20人くらいの患者数になっているからです。

新規開業の場合、1日平均15人になるのは、
おそらく6ヶ月くらいでしょう。

この時期は、資金的に一番キツイ頃ですね。

当初の設備投資などで、大きなお金が出て行って、
実際に開業し始めて、売上が立つ前に、
様々な運転資金としてお金が出ていきます。

それだけに、ユニット増設をためらうところです。
しかし、6ヶ月で軌道に乗りつつある、
今ここで一気に昇っていかないといけないと感じています。

というのも、人間は感情の生き物なので、
1年間でしっかりした結果を残せたなら、
それが自信となって、その後の経営も、
上手に波になっていけると思うんです。

そこを逃してしまうと、その後に挽回するのは、
かなりしんどいと思います。

人間には慣性の法則が働くので、
自分にとって、経営とはこんなものだと
思い込んでしまうものです。

いくら今から挽回すると思っても、
最初にスタートダッシュできない人が、
その後、大きく売上を上げていくのは、
実際にはなかなかないと思うんですね。

逆にいうと、この開業後6ヶ月で軌道に乗せて、
1年でさらに上昇気流に乗れるかどうかが、
クリニック経営がうまくいくかどうかの、
試金石といえるかもしれません。

ですから、資金的にキツイときかもしれませんが、
その後の売上の伸びを決定的にするためにも、

1日平均15人あたりで、ユニット増設を決断し、
規模拡大を図っていただきたいと思います。

場合によっては、リースなども考えないと、
いけないかもしれませんね。

そして、ユニット3台、1日平均30人の患者数となれば、
スタッフの採用も考えないといけませんね。

お客様をせっかく増やせたのに、
来院していただいたお客様に、
満足する治療を施せなければ、
信頼を失いかねません。

通常、1日30人の患者数のときで、
スタッフ3名、受付0.5くらいの感覚でいます。

そして、ユニットを4台にしたいと感じる頃には、
先生方の診療体制を含めて、クリニック全体を、
いかにスムーズに回していくか、考えないといけません。

今後のクリニックの体制を考えたとき、スタッフを増やして、
ユニットを増やすことが、集患につながり、
お客様の満足につながり、売上増につながるのか。

場合によっては、歯科医師を
雇わないといけないかもしれませんね。

でも、それが売上増につながるなら、
私は迷わず規模拡大を図るべきだと思います。

開業からあまり時間が経ちすぎると、
規模拡大のチャンスはなくなっていきます。

資金的にも、経営的にもしんどいときではなりますが、
開業当初しかそうそう規模拡大、売上増は図れないからです。

もちろんユニットを4台にしようとすれば、
診療時間の延長や内装変更なども含めて、
変えていかないといけないことも増えます。

しかし、そうした最初の苦労が、
後々に大きな売上を長期でもたらしてくれるのなら、

経営者として独立した甲斐があったと、
いえるのではないでしょうか。

大きな売上、大きな利益、そしてステータスは、
経営者にしか得られない大きな特権ともいえるのですから。

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