経営相談事例集

マーケティング(集患)の基本戦略

歯科医院経営者のみんなが悩むマーケティングの戦略について考えてみましょう。

基本的に3つの戦略が考えられます。

1.差別化戦略
2.コスト戦略
3.集中戦略

私は1と2は独立していて、3は、1と2に横断しているイメージを持っています。

例えば、1は、有名ブランド品などがこれに当たります。
価格は高くても、ネームバリューなどで圧倒的な差別化を図っています。

2は、質の良いものを低価格で販売しているユニクロのような戦略です。

3のうち、1.差別化戦略を含むものは、特定の消費者層だけに、高価格商品を販売する戦略です。子供向けとか婦人向けのみに高価格商品を販売している企業はたくさんありますね。

一方、3のうち2.コスト戦略を含むものは、特定の消費者層だけに、低価格戦略をとるような企業があたります。

これら3つの戦略にも一長一短があります。

例えば、1.差別化戦略には。独自技術の開発や高度のデザインブランド戦略が必要となるため、われわれ歯科医院経営と取りづらい戦略です。

2.コスト戦略は、他の医院も追随しやすい短所があります。価格競争に巻き込まれ、みんながジリ貧になってしまい、誰も得をしないという危険があります。この戦略をとる場合は、サービスの提供にかかる全ての要素について、徹底的なコスト削減と大量販売によって、利益を多く取れるようにするのが現実的かと思います。

3.集中戦略は、差別化戦略もコスト戦略も、地域や特定の治療内容など、小さな市場でトップを目指すような戦略です。われわれ歯科医院としては、このやり方が良いと思っています。

1.差別化戦略は、世の中にある全ての歯科診療を高レベルで行えるなどの特徴を出せる必要があるかと思います。これができるのが理想だと思いますが、われわれ一般の歯科医院ではなかなか難しいかと思います。

2.コスト戦略は、診療報酬は全国一律ですし、自費診療も低価格で行えば、他の医院もすぐに追随して、すぐに使えなくなる戦略であることは目に見えています。
 また、低価格にしたからといって、歯科診療の需要が増えるわけではありません。

そう考えると、3.集中戦略の中でも、先生方が経営している医院の周辺地域の中で、差別化を図る、トップを目指すというのが現実的かつ効果的な戦略だと思います。

その中でも、特定地域内での差別化を図る必要があります。歯科医院の場合は、半径500m。離れたとしても1kmまでの範囲が、診療圏にあたると思います。しかも、都会ではこの範囲内に何軒もの医院が開業しています。このエリア内のライバル医院の動向を見据えながら、徹底的に強みを活かして差別化を図る必要があります。

もうひとつは、治療サービスでの差別化を図る必要があります。審美治療やインプラントなど、得意であり優位性を保てるような治療に力を入れて、技術や料金で差別化を図り、成功している歯科医院はけっこう存在しますよね。

しかし、今の時代、治療技術や施設での差別化は難しくなっています。コストも際限なくかかってしまいます。今は良い治療はできて当たり前、医院がキレイで交通の便が良く、通いやすいのも当たり前となっているからです。

そうなると、患者さんへのサービスでの差別化を図れないか考えたいところです。成功している歯科医院では、コストをかけずに、患者さんに感動していただけるような、ちょっとしたサービスを実施しています。すべては患者さんに喜んでいただけるように、患者さんの立場になって、知恵を絞りたいところです。それらもすぐに他院にマネされてしまいますので、常に新しい発想を得られるように、アンテナを張っていきたいですね。

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