歯科医院経営には、リピーターが欠かせません。
新規客を開拓することは、コストも膨大になりますが、既存客ならコストはそれほどかかりません。こうしたリピーターをいかに確保し続けられるかが、われわれ歯科医院が生き残っていけるかの鍵といえるでしょう。
しかしながら、どの医院でも既存客離れを起こしています。
私の医院でも既存客がいつの間にか離れてしまっています。
いかに、既存客に満足してもらい、また来院してもらうか、永遠のテーマですが、その原因と対策を考えていきましょう。
まず大前提として、既存客は年2割ずつ離れていっているということを知らなければなりません。患者さんの転勤、結婚などの不可抗力での減少。他にもトラブルや不快感などによる、歯科医院側の不手際による離反があります。
また、歯科医師の高齢化に伴い、患者さんも高齢化して、死亡、入院などによっても次第に減少していき、逆に新患は取りづらくなっていきます。
そして、新規顧客開拓の費用は、既存客を維持する費用の5倍はかかるということです。他の医院も営業活動を行っており、供給が需要を上回ってしまっている現在、既存客を失うことは経営上あまりにも痛いことですね。特に、これから開業しようとしている先生方は、新規に歯科医院をオープンするのに、コストはいくらかかるでしょうか?
そして、既存客の離反を5%抑えることができたら、利益は5倍になるということです。特に、年齢の若い既存客だとよくわかると思います。まずホワイトニングや予防で通院が始まり、やがてカリエスになったり、色々と痛んでくるものです。そして、インプラントに通ってくれるかもしれませんし、その方の子供も連れてきてくれるかもしれません。その既存客のライフタイムバリューを考えてみましょう。その既存客が1人減るだけで、どれだけの利益が吹き飛んでしまうかということです。
そして、顧客離れの原因の多くは、患者さんに対する無関心であることです。お客様はわれわれ歯科医院に対して、何らかの不満を持っているものです。そして、そうした不満を伝えてくれる人は少数派です。
どの医院でも共通するのは「治療が痛い。待たされる。説明がないor雑。」個別の医院だと「支払い、治療期間が不透明。技術不足。」他にも「通いにくい。待合室が汚い。院長やスタッフが感じ悪い。」など。
そうした不満がどこかのタイミングで噴き出したり、他の歯科医院に替わろうかなとか、「もうあんまり痛くないし、治療ももういいや!」とかそういう思考になられると離れてしまいますね。
かといって、あまり気にしすぎると疲れてしまいますよね。だから、最初に自分の医院ではどういうお客様を相手にしていきたいのか、それに合致したお客様に来ていただけるように努力すべきですし、8:2の法則のように、20%のお客様が80%の売上をあげてくれるわけですから、特に大事に思っているお客様だけは何としても満足してもらって、死守する。ベストを尽くす。これが大事ですね。
少なくとも、アンケートなどでクレームが来たら、すぐに対応して、スタッフにも共有していく。これだけは最低限しなければいけませんね。
完全に防ぐことはできないけど、既存客の離反を何としても防いで、経営を安定させていきたいですね。